梅雨とダニと健康の話

最近、ドラッグストアの店頭を歩いていると、「ダニ対策」の文字が目に飛び込んでくることが増えました。シートタイプ、スプレー、置き型の忌避剤など、さまざまな商品が所狭しと並んでいます。それもそのはず、湿気が多くなる梅雨の時期は、ダニにとって絶好の繁殖シーズン。目には見えない存在だからこそ、私たちの健康にも気づかぬうちに影響を及ぼしているかもしれません。

ダニの代表格といえば「チリダニ」「ツメダニ」。前者はハウスダストやアレルギーの原因になり、後者は人を刺して強いかゆみや炎症を引き起こします。特に布団やソファ、カーペットなど湿気がこもりやすい場所に潜みやすく、一度繁殖すると完全な駆除はなかなか難しいのが現実です。

さらに注意したいのが、ダニが原因となる健康トラブル。アレルギー性鼻炎、喘息、アトピー性皮膚炎など、ダニ由来のアレルゲンによって悪化する症状は多岐にわたります。夜間の咳やくしゃみ、原因不明のかゆみなどが続く場合、「もしかして」と疑ってみるのも大切かもしれません。

対策としては、湿度管理が最優先。室内湿度を50%以下に保つことが、ダニの繁殖を抑える第一歩です。また、寝具やカーペットのこまめな掃除、布団乾燥機や天日干しの活用も有効です。最近では、掃除機やエアコンに「ダニ対策モード」が搭載されている製品も登場しており、身近な生活家電が心強い味方になってくれます。

目には見えないけれど、確実に私たちの暮らしに影響を与えるダニたち。梅雨を快適に過ごすためにも、この時期の“見えない敵”にしっかり備えておきたいものです。

2025年06月28日