「肩こり」は夏目漱石発の言葉?
当院のお知らせにも度々登場する「肩こり」、それだけ肩こりでのご相談が多いという事でもあるのですが
この「肩こり」という言葉の語源、ご存知ですか?
日常的に使う「肩こり」という言葉。実は、文豪・夏目漱石が生んだ表現だという説があります。
漱石が小説『門』(1910年)の中で「肩がこる」という表現を使ったことで、文学作品として記録に残り、それ以降「肩こり」という言葉が一般的に広まったのです。
それ以前は「肩が張る」「肩が重い」など、今とは違う表現が使われていました。
つまり、「肩こり」は100年ほど前に生まれた、比較的新しい日本語なのです。
女性が最も悩んでいる症状は「肩こり」
厚生労働省が定期的に実施している「国民生活基礎調査」によると、女性の自覚症状の第1位は肩こり。これは何年にもわたって上位にランクインしています。特に20代~50代の女性で多く、「毎日つらい」「でも病院に行くほどでもない」と悩みながら我慢している方が少なくありません。
現代人の生活と肩こりの深い関係
なぜこれほど肩こりが蔓延しているのでしょうか?
現代の生活習慣には、肩こりを引き起こす要素がたくさんあります。
パソコン・スマホの長時間使用
ストレスによる筋緊張
運動不足・血行不良
冷えやホルモンバランスの影響(特に女性に多い)
前かがみの姿勢(猫背・巻き肩)
肩こりは単なる筋肉疲労にとどまらず、自律神経の乱れや内臓の不調と関連しているケースもあります。また「たかが肩こり」と思わずに肩こりを放置すると——
頭痛
吐き気
睡眠障害
集中力の低下
など、日常生活に支障をきたすことも。
さらに、意外に思われるかもしれませんが、内臓や血管の病気が肩こりの原因となっていることもあります。たとえば、脳動脈瘤・狭心症・心筋梗塞・糖尿病・胆石症などは、肩こりに似た症状を引き起こすことがあります。
ただし、こうしたケースでは、肩の痛み以外にもしびれ・息切れ・倦怠感など、他のサインを伴うことが多いです。
「たかが肩こり」「いつものこと」と軽視せず、身体からのSOSと捉えることが大切です。
「肩こり」は日本語としての歴史こそ浅いですが、現代人にとってはとても深刻な悩みです。特に女性にとっては、もっとも身近で、もっとも我慢されがちな不調のひとつ。
少しでも「つらい」と感じたら、我慢せず相談してみてください。
肩が軽くなるだけで、毎日がきっと前向きになりますよ。