秋の夜長と「不眠」について
秋になると日が短くなり、夜が長く感じられるようになります。読書や趣味に集中できる季節でもありますが、一方で「なかなか眠れない」「眠りが浅い」といった不眠の声も増えてきます。特に気温の寒暖差や、夏の疲れが残って自律神経のバランスを崩していることが影響しやすいのです。
不眠と鍼灸・マッサージ
東洋医学では「不眠」は「心(しん)」や「肝(かん)」の働きの乱れと関係すると考えられています。ストレスや考え事が多いと心が休まらず、また血流が滞ると頭がさえてしまい眠りにつきにくくなります。
鍼灸:百会(ひゃくえ)、安眠(あんみん)、神門(しんもん)などを使い、自律神経を落ち着かせる
マッサージ:首肩のこりを和らげ、頭部の血流を整えることで「頭の緊張をほどいてリラックスしやすくする」
といったアプローチで、自然な眠りをサポートしていきます。
また、睡眠の質を高めるには、日常のちょっとした工夫が大切です。
ご自宅でできるセルフケアもありますよ
1. 足湯
寝る前に10分間、くるぶしが浸かるくらいのお湯で足を温めます。全身の血流が整い、冷えやのぼせの解消にも。
2. セルフマッサージ
①後頭部ほぐし:耳の後ろから後頭部にかけて、指で円を描くようにやさしくほぐすと、首肩の緊張がとれて眠気が訪れやすくなります。
②ふくらはぎのさすり:両手でふくらはぎを下から上へやさしくさすると、血流が整い「足がポカポカして眠れる」体に。
3. 呼吸法
「4秒で吸って、6秒で吐く」を繰り返すだけのシンプル呼吸。副交感神経が優位になり、リラックスモードに切り替わります。
4. 光と環境の工夫
寝る1時間前からスマホやPCのブルーライトは控える
寝室の明かりは間接照明や暖色系のライトに
室温は20〜23度、湿度は50〜60%程度に保つと眠りやすい環境になります
5. アロマやお茶
ラベンダーやカモミールの香りはリラックスに効果的
カフェインレスのハーブティーを寝る前に飲むのもおすすめです
秋の夜長を「癒やしの時間」に
せっかく夜が長い季節ですから、眠れずに悩む時間ではなく、体をいたわる時間に変えていきましょう。鍼灸やマッサージと、日々のセルフケアを組み合わせて、自然な眠りを取り戻していきましょう。