その歯痛、実は首肩こりが原因かも?
今日は「歯が痛いのに、歯医者さんでは異常なし…」という経験をしたことがある方に向けてのお話です。もしかするとその歯の痛み、実は「首肩こり」からきているかもしれません。
え?歯と肩こりが関係あるの?
意外に思われるかもしれませんが、実は首や肩まわりの筋肉の緊張が、歯や顎の痛みとして感じられることがあるのです。このような痛みは「関連痛」と呼ばれ、本来の原因とは別の場所に痛みを感じる現象です。
では、なぜ首肩こりが歯痛につながるのか?
その答えは、「神経のつながり」と「筋肉の連動」にあります。
ポイント① 三叉神経と関連痛
顔面や口の中、歯などの感覚をつかさどるのが「三叉神経(さんさしんけい)」という神経です。一方、首や後頭部の感覚は「頸神経(けいしんけい)」が担当しています。
この三叉神経と頸神経は、脳幹という場所で接点を持っているため、
たとえば首の筋肉がこりすぎて頸神経が刺激されると、三叉神経領域=顔や歯に痛みを感じることがあるのです。
つまり、「首のコリ」が「歯の痛み」として感じられるという、少しややこしい仕組みが存在するのです。
ポイント② 咬筋や側頭筋のトリガーポイント
もう一つの原因は「筋肉のコリ=トリガーポイント」です。
特に注意すべきは、
咬筋(こうきん):顎を動かす筋肉
側頭筋(そくとうきん):こめかみあたりの筋肉
胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん):首の前側にある筋肉
これらの筋肉が過度に緊張した状態になると、そのトリガーポイント(筋肉の硬結)から痛みが飛んで、歯のあたりに放散することがあります。
特に「奥歯が痛い」「こめかみがズキズキする」という症状がある方は、この可能性を疑ってもよいかもしれません。
実際によくあるケース
デスクワークで1日中首が前に出ている
夜間の歯ぎしり・食いしばりがある
スマホを長時間見ていて肩こりがひどい
寝違えを起こしてから歯の違和感が続いている
こういった方は、歯自体に問題がなくても、筋肉や神経の緊張が原因で痛みを感じているケースが多くあります。
最後に
歯が痛いのに歯医者さんでは「異常なし」と言われてしまった方、
もしかすると原因は首や肩のコリかもしれません。
放っておくと、痛みの範囲が広がったり、慢性化することもあります。
お心当たりのある方は、ぜひ一度ご相談ください。